「天地人」の原作となったことで知られる火坂雅志氏の作品を紹介

写真:NAVER まとめより

NHK大河ドラマ「天地人」の原作となったことで知られる作家の火坂雅志(ひさか・まさし、 本名中川雅志=なかがわ・まさし)氏が26日夕、急性膵炎(すいえん)のため神奈川県伊勢原市の病院で亡くなりました。ご冥福をお祈りします。

故人を偲んで、火坂雅志氏の作品を紹介したいと思います。

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代表的な作品

戦国時代から江戸時代にかけての作品が多く、以下の作品が代表作として挙げられます。

  • 「虎の城」
    藤堂高虎を扱っています。
    戦国時代から江戸時代初期にかけての武将・大名で、伊予今治藩主から伊勢津藩の初代藩主になります。藤堂家宗家初代。 何度も主君を変えた戦国武将として有名です。
  • 「軍師の門」
    黒田官兵衛、竹中半兵衛を扱っています。二人は戦国時代を収束させようと、信長・秀吉に仕え、最終的には黒田官兵衛が秀吉の天下統一に大きく貢献します(竹中半兵衛は病死)。二人を合わせて両兵衛と呼んだりします。
  • 「臥龍の天」
    言わずと知れた伊達政宗を扱っています。

作風

歴史としてはとても面白い戦国時代~江戸時代を舞台にした作品が多く、歴史上の主人公格ではなく、それを支えた人や支えなくても主人公格ではないけど「こういう人物もいたのか」と思わせてくれる人物を取り上げます。

だから火坂雅志氏の作品は、それに触れることによって新しい発見があり、同じ時代に生まれた人物を別々の作品で取り上げていたりするので比較するのもとても楽しいです。
読むのが難しいというわけでもなく、分かりやすくて親しみやすい作品が多いです。

大河ドラマになった天地人は直江兼続を扱い、独特の兜がシンボルとなって有名ですが、大河ドラマ自体は良い評価がありません。

それは、「統一性がない」ということに尽きます。
直江兼続の主義主張が長い目で見て変わるならまだしも、前後の回で矛盾していたり、論理破綻が多かったのです。

良く「これが上杉の義」というセリフがありましたが、その「義」がとても曖昧でした。
自己都合で変わる、自己正当化の為の口上にすぎないと受け取られたりすることも多かったです。
実際、直江兼続を演じた妻夫木聡氏も義が何だったのか最後まで分からずに演じたそうです。

セットも貧弱でした。

ただこれは大河ドラマの作り込みの問題としてあるだけで、原作はとても良く出来ていました。

脚本と演出が上手く機能しなかった点が大きいです。

史実に忠実でないという声もあるにはありますが、大河ドラマは何も史実に忠実でなければならないということはないのですが、それでもドラマとしては消化不良気味でした。

例えば中国歴史家の陳舜臣氏も、三国志自体大昔の話で史実さえ分からない部分もありますが、確定している史実でさえ、目線を変えて、しかも史実を変えて書き下ろした小説もあります。
「彼の立場で、こういうことが起こっていたらどうだろう?」という視点から挑戦したものでした。

求められるのは、テンポよく進む抑揚のある展開とドラマティックな演出、次も観てみたいと気になるように作り込むということです。

歴史教育じゃないし、教科書を見るわけでもありません。
ドラマである以上、必ず史実に忠実でなければならない理由はないのです。

でもそういう史実に忠実であるべきという意見だけでなく、それを差し引いてもこのような理由からこの大河ドラマに作品としての評価が低くなり、結果的に火坂雅志氏の原作自体にも「読んでもないのに悪影響」を与えた部分もあるということも否めません。

小説家は、主人公を軸に、登場人物それぞれの想いを自分のシナリオにしたがって魂を入れ込んで作ります。
誰でも歴史小説家の立場になったら分かることですよね?

火坂雅志氏も直江兼続にはきちんとした想いがあったわけで、直江兼続の「義」についてきちんと書いています。
まして、良い作品か悪い作品か以前に、少なくとも話の前後で矛盾が出るような展開をさせるようなことは決してしません。
それなのに、矛盾が多かったり、そもそも直江兼続が主人公なのに兼続の伝承・業績が殆ど全くと言って良いほど浸透していない作品でした。

直近では軍師官兵衛がとても面白かったですが、史実も盛り込みながら、毎回抑揚のあるハラハラドキドキの展開で、演技も肉薄し、セットも壮大で、それを考えると非常に残念です。
軍師官兵衛を火坂雅志氏の「軍師の門」でやっていたらどうなっていただろうと想いを馳せるばかりです。

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